Webに胸きゅん

WebクリエイターがWebの技術やマーケティングに関することを自分の勉強もかねてつらつら書いています。

“思考に網を掛ける”ということ

以前、会社でコーディングの勉強会に参加しているメンバーに向けて話したことなのですが、知識って何のために付けるの?と言うお話です。

思考のネットワークを作る糸一本が知識ひとつ

私は、知識を増やすことは、思考に網を掛けることだと思っています。

それは、何か情報が自分の中に入ってきたときに、その情報が思考の網に触れて「ん?」「あれは、以前どこかで...」という引っかかりを得て、そこから思考が始まると思うからです。

入ってきた情報が自分の知識になく、興味のある分野でもないときは、網に掛からないので素通りしてしまいます。

ですが、その素通りした位置が自分の好きな分野に近くて、後に必要になるのに今は知識がないから引っかからなかったとしたら、とてもとてももったいない。

人の思考の網は興味のある分野ほど網の目が細かく、そこから遠ざかるほど、荒く、または網がなくなります。

なので、自分の興味ある分野に近い知識から増やして、網の目を細かくしていこうと言うことをメンバーに伝えました。

網の目を増やすのはカンタン

知識をつけると聞くと難しく思われるかもしれませんが、実はそれほど難しくなかったりします。

知識を付け始めるのに専門書のようなものは要りません。その知識を深いところまで理解してくると自ずと必要に駆られるのが専門書です。

最初は、ウェブ検索で十分です。今の世の中には、Wikipediaという大変便利な物がありますので、気になったことはすぐ検索してしまいます。

ここで気をつけることは、得た情報を必死に覚えようとしないことです。人間そんなに簡単には覚えられませんので、覚えた気になる程度でとどめてください。

それではすぐ忘れてしまいますが、それで構いません。それは、すべてを完璧に忘れることはないからです。今後どこかでその知識に関連する情報が入ってきたときに、違和感や引っかかりを覚えます。それは、思考にとても細いけど確かに網が一本増えているからです。

そして、その時にまた同じ事を調べると以前調べたときの知識が蘇り、より太い糸にすることができます。そして、また新しい糸も併せて張られるので思考の網が広がります。

こうやって徐々に網を広げることは大した苦労はありません。覚えようとすると大変なので、できるだけしないようにしましょう。

思考の網は破れない

思考の網が破れることはないです。忘れてしまって、引っかかりを覚えにくくなることはありますが、それはそこの糸が細くなってしまったか、たわんでしまっただけなので、きっかけを与えて網を張り直せばすぐに元に戻ります。

なので、過去の知識は定期的に振り返ってテンションを保つようにしましょう。このふりかえりの期間は人によって違うと思うので、自分に無理のないローテーションで網に触れて張りを確かめましょう。

網の大きさを人と比べない

網の大きさ、知識量は人それぞれです。糸の太さも同じなので、大きければよい訳ではないです。

自分に必要ない網もあります。それを人と比べて自分を卑下する必要は全くありません。

ただ、人の網を見て参考にするのは大いに結構なことだと思います。網を参考にすると、限りなく細くて放っておくと切れてしまう糸の元、設計図のようなものができるはずです。そこですかさず調べることで同じ分野に網を広げることが容易になります。

人の網は参考にとどめましょう。

まとめ

コーディングの勉強会は、デザイナーやディレクターの新米さんには不要に思えたり、つまらなく感じられたと思ったので、無駄に思える知識を自分の業務に活かすきっかけ作りになればとこの話をしました。

無駄に思える知識も、そこから得た発想でよい施策を打つこともできたりします。知らないと発想の幅も広がらないので、日々網張りをちょっとずつしましょう。